約束の続き
このサイトには、よくある質問が111問ありました。以前、ChatGPTに機能ページを読ませて作ったものです。問いの立て方は、今読んでも悪くありません。検討中の方が実際に聞くことが、ちゃんと並んでいます。
問題は答えの拠り所でした。生成の元にしたのが、当時の機能ページ——前回書き直した、あの言い過ぎを含む文章です。そこから生成された答えは、それらしく整ってはいるものの、何を根拠にそう言えるのかが、書かせた本人にも辿れませんでした。
問いは資産、答えは書き直し
やり方は単純です。問いは一文字も変えない。答えの材料を、機能ページの文章から、機能リファレンスのフラグメント——画面ごとの事実の記録——に替えて、書き直す。
一問、順を追って見せます。「社外の確認者に、ログインなしでプレビューを見せられますか?」という問いがあります。古い答えは、確認用のURLを発行できます、という一言に近いものでした。嘘ではありませんが、それ以上でもない。
書き直すときは、まず該当する画面の記録を開きます。外部確認URLのフラグメントには、こう書いてあります——有効期限やパスワードを指定できる。期限が過ぎたURLは失効する。この記述を、そのまま答えに使います。新しい答えはこうなりました。「できます。公開前のコンテンツを、ログインなしで確認できるURLを発行できます。有効期限やパスワードを指定でき、期限が過ぎたURLは失効します。」
私が文章を盛ったのではなく、画面に書いてあることが答えに上がってきた、という順序です。111問をこの順序で通しました。
逆に、記録のどこにも拠り所がない問いが5つ残りました。確かめて、機能が実在しないものは、問いごと消しました。
曖昧な答えもありました。たとえば、MAで実行できるアクションを尋ねる問いに、古い答えは7つの項目を並べていました。読み方によってはもっともらしいのですが、管理画面の言葉と突き合わせると、そのまま画面に対応するのは3つで、残りはどの画面のことを指しているのか判別できません。答えとしては成立しておらず、読む人によっては事実と食い違う。こういう答えを、画面の言葉で引き直しました。
根拠を張る
書き直しと一緒に、答えの一つひとつに根拠を持たせました。FAQの回答の下に「この回答の根拠」として、元になった機能リファレンスのページへのリンクが並びます。逆に、リファレンスの側には「この機能を根拠にする質問」が並びます。
FAQは「できるか」に答え、リファレンスは「どのように実現するのか」を管理画面の事実で見せる。答えを読んで、実現方法の画面まで一直線に辿れます。具体的な例です——ユーザーと権限をまとめて登録・棚卸しできますか?。回答の下に根拠のリンクがあり、リンク先のリファレンスには、この質問が並んでいます。
追加した14問
追加もしました。フラグメント化の計画は、進めてみると自社製品の機能の棚卸しでもありました。棚卸しをすると、サイトで押し出していなかった機能が見えてきます。ユーザーの組織と権限。作業対象をブックマークのように束ねて共有する、作業ボックス。管理画面のメニューを自分用に組み替える機能。日々の業務を効率化するための道具立てです。リファレンスには事実がある、でも問いがない。ここに14問を追加しました。
作り方は少し変えました。最初はClaudeに書かせたのですが、問いの言葉の精度が今ひとつでした。そこでChatGPTに、同じ条件で書かせます。素材(リファレンスの記録一式)と規約(事実だけを書く・根拠を明記する・既存の問いと重複しない)をまとめたプロンプトは、Claudeが一気に作ります。私はそれをコピーして、ChatGPTに貼るだけ。戻ってきた出力には、どの記録を根拠にしたかまで仕分けてあります。それをClaudeに渡して整形させ、私が確認して、最後はwriteWiredに取り込めるCSVの形まで作らせました。
私の仕事は、運ぶことと、決めることでした。14問が増えて、FAQは119問になりました。
三層がひとつの記録の上に
機能ページ、機能ページを構成するリファレンス、リファレンスを補完するFAQ。三つは役割が違いますが、いまは全部が同じ記録——フラグメント——の上に立っています。

前回、台帳は二度働くと書きました。今回は三度目です。売り文句を検収した同じ記録が、答えの根拠になり、問いと画面を繋ぐ網になりました。サイトの言葉が、どこを切っても同じ記録に着地するようになりました。第3回で描いた三層の絵に、FAQが加わって、ひとまず一周です。